25W LED投光器

目的

秋月電子に25WのLEDが売っています[]。 これを点灯させてみたいと思います。カーバッテリーで動くことを目標にします。
最終的には、実用的な投光器としたいところです。

仕様

今回点灯させるパワーLEDは、Vf=34V、If=1000mAという大物です。勿論、放熱は必須でしょう。

25W LED[OSW4XAHBE1E]の仕様

LEDは定電流駆動します。また調光可能としたい所です。 色んな所で使えるような投光器とするために、電源は10~25Vとしました。これで自動車の電源やノートPCのACアダプタが利用できます。

最終的に決めた仕様を下にまとめます。

  • 電源電圧:DC10~25V 5.5-2.5mmDCジャック
  • LED電流:0~800mA
  • 駆動回路:昇圧チョッパ
  • 冷却:強制空冷(LEDの温度によって制御)

回路構成

以下に回路図を示します。回路図では10-30Vとなっていますが、30VだとLEDが勝手に点灯してしまいます。

25W投光器の回路図

LEDの定電流駆動

MOSFETのGateの波形、2つのMOSFETが交互にスイッチしている。
MOSFETのGateの波形

LEDの駆動回路には、TL494というPWMコントローラを用いて昇圧チョッパを使います。このICはエラーアンプを2つ持っているので、片方をLEDの電流制限に、もう片方を出力が開放された時の電圧制限用に使いました。LEDの電流はR24で電圧に変換したのち、オペアンプで増幅してTL494に入力しています。調光は、TL494の2ピンの電圧を0~5Vの範囲で変えることで実現します。また、TL494はプッシュプル出力できるので、フェイズシフト式の昇圧チョッパにしました。これは、2つのパワーMOSFETが交互にオン・オフを繰り返します。前からやってみたかったのです。無駄だと思いますが。

インダクタは秋月で売っていた90uHのトロイダルコイルを20回程度、ほどいたものです。実測15uHとなりました。MOSFETは、昔秋月で安売りされていたPJP75N75を使いました。このMOSFETは、Vds=75V、Id=75A、Rds=10mΩというものですが、同じようなスペックのものであれば何でもいいです。最大出力時には発熱するので、放熱板が必要になります。アルミ板の切れ端で十分です。D5,D6のショットキーバリアダイオードは、45V、5A以上あれば十分です。

冷却ファンの制御

LEDの温度で冷却ファンのオンオフを制御できる回路も付けました。回路図の下の部分です。温度計として、シリコンダイオードを用いました。 シリコンダイオードには約-5mV/℃の温度係数がありますので、3個を直列にし、 -15mV/℃の温度センサとして、LEDの近くに設置します。(回路図中JP3の6ピンをアノード、3,4ピンをカソードに繋ぎます。)

LEDの温度センサにはダイオードを仕様した

原理としては、ダイオードの電圧と基準電圧をオペアンプで比較してファンを駆動する、というものです。
ただし、電源電圧が~25Vになってしまってもファン(定格が12V)に過電圧がかからないように簡単な定電圧回路を設けています。そのため、電源電圧が12Vを超えるとQ8は少し発熱することになります。発熱量=(電源電圧-12V)×ファンの電流
温度の調整は、VR1で行います。

基板の製作

回路の基板は、片面のプリント基板にしました。

25W投光器のプリント基板

製作途中の基板です。後にインダクタの巻線を解くことになります。

製作途中の回路

動作確認中。LEDに繋がる配線がお気に入りポイントです。

25W投光器の回路の動作確認

LEDの放熱とケース加工

このLEDはとても発熱します。しかしLEDは80度以下に保たないと壊れてしまいます。 今回は安易にCPUクーラーを用いました。CPUクーラにねじ切りをし、固定しました。放熱用のグリスも塗布しておきます。

ヒートシンクに取り付けた25WのLED

(写真ではファンは取り外していますが、実際はファンがないと放熱が間に合いません)

ケースの中身
背面

ケースはセリアで売っていたペン立てを使いました。放熱器とサイズがピッタリです。

金具を作って、三脚に取り付けできるようにしました。

25W投光器 金具
金具を取り付けた

製作後・・・

下の写真は、試しに2階から駐車場を照らしてみた図です。25WのLEDでも、かなり明るいので、有効活用できそうです。

25W投光器で照らした駐車場

後に、ケースに金具を取り付けて三脚に付けられるようにしました。

製作してから3年ほど立ちますが、今でも外での作業に活躍しています。(2016.12)。

参考文献

PWMコントローラTL494を使ってみよう – electric

 

製作期間:2013年10月


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