オペアンプ失敗事例

このページでは、私がやらかしたオペアンプ回路の失敗を公開します。
参考になれば幸いです。

LPFを作ったものの、出力電圧が電源電圧に張り付く

不具合

下図のような多重帰還型ローパスフィルタを作ったところ、出力電圧が、+13Vに張り付いてしまった。

多重帰還型LPF

原因

次のように入力端子を逆に繋いでいた。当然まともに動かない。

間違った多重帰還型LPF

解決策

正しい回路に修正する。

出力の振幅が取れない

不具合

低消費電力のCMOSのオペアンプで図2.2のような回路を作った。このオペアンプはレールtoレール出力なので、電源電圧いっぱいまで振幅できるはずだが、次の図のように全然振幅が取れない。

CMOSオペアンプで作った非反転増幅回路
でてきた波形

原因

非反転増幅回路では、帰還抵抗がオペアンプの負荷抵抗に含まれる。

振幅が取れなかったのは、帰還抵抗に流れる電流がオペアンプの最大出力電流を超えていたからである。

帰還抵抗に流れる電流に注意

解決策

帰還抵抗の値を大きくする。

出力に直流オフセットが出る

不具合

バイポーラ入力のオペアンプを使って、次の図のような回路を作った。C1は直流カット用のカップリングコンデンサである。

動作確認をする・・・となんと、出力に1Vぐらいの直流オフセットが発生してしまった。当然、入力電圧は0Vである。

バイポーラ入力オペアンプで作った回路

原因

バイポーラ入力のオペアンプは、入力端子にバイアス電流が流れる。今回使ったオペアンプでは、最大500nAの入力バイアス電流が発生する。この入力バイアス電流が、抵抗R1を経由して流れたため、抵抗R1に23.5mVの電圧降下が生じ、それが出力の直流オフセットの原因となっていた。

バイポーラ入力オペアンプの入力バイアス電流に注意

解決策

手っ取り早く、入力バイアス電流が小さいJFET入力オペアンプに換装した。

AMラジオを受信してしまう

不具合

オペアンプを使用してオーディオ用のプリアンプを製作していたはずが、いつの間にか、AMラジオが完成していた。

原因

入力に混入してきたAM放送波を、オペアンプが検波してしまっている。

 

解決策

  1.  入力のケーブルをシールド線に替える。
  2.  回路基板を金属ケースに収める。金属ケースは回路のGNDに落とす。
  3.  オペアンプの-入力端子と出力端子間に数十pFのコンデンサを接続し、帯域を落とす(発振防止にも貢献できる)。

出力が反転してしまう

不具合

入力電圧が電源電圧付近に近づくと、出力電圧が反転する。

原因

オペアンプの出力反転現象が原因。

参考文献:https://www.nisshinbo-microdevices.co.jp/ja/faq/10088.html

解決策

  • 反転増幅回路を使うなど、オペアンプの入力端子に電源電圧付近の電圧が印加されないように、回路構成を変更する。
  • 事前に真面目にデーターシートを読む。
  • 出力反転現象が発生しないオペアンプを使用する。

全く出力が出なくて、オペアンプが熱くなる

不具合

出力が出ない。オペアンプが熱い。

原因

1回路入りオペアンプを使う所に、2回路入りオペアンプを挿入していた。

解決策

よく確認しましょう・・・