ビートのクランクプーリーに交換【MTRECストリート】

ビートのMTRECエンジンを載せたストリート号。

でもクランクプーリーは元のエンジンのを使っていた。
今回はこれをビートのクランクプーリーに交換した。

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ビート PP1 エラーコード一覧

ホンダビートのダイアグコードの一覧
自分用備忘録です。
データの引用元:https://minkara.carview.co.jp/userid/1684265/car/1250010/2141074/note.aspx←ありがとうありがとうありがとうございます。

手順
①サービスチェックカプラー(黄色)を短絡させる。
②イグニッションONする。エンジンチェックランプを確認する。
③10回以上の点滅回数は長い1回を10回点滅とする。
(長い点滅は10の桁、短い点滅は1の桁)

□点灯,点滅せず
ECUアース線の断線
ECUの故障
警告灯切れ

□点灯したまま
サービスチェックカプラ―の短絡(エラーコードなし)
ECUへの電源供給ラインの断線
センサ系電源供給ラインの短絡
ECUの故障

□点滅

点滅回数 エラーの内容
1 O2センサ,プラグミスファイヤ・フューエルシステムの不良
2
3 吸気圧力センサ
4 クランク角センサ
5 吸気圧力センサの配管外れ
6 水温センサ
7 スロットル開度センサ
8 クランク角のカプラ外れ,TDCセンサ
9 シリンダ判別センサ
10 吸気温度センサ
11
12
13 大気圧センサ(ECU本体内部に存在する)
14 EACV
15 イグニッションパルス出力信号配線,イグナイタ,ECU
16
17 車速センサ
18~40
41 O2センサ (たぶんO2センサのヒーター回路不良)
これ以外 ECUの異常

14と41の間違いに注意。

その他

サービスチェックカプラーを短絡させない状態(つまり通常時)は、
イグニッションオンでエンジンチェックランプが点灯し、燃料ポンプが動作する。
2秒後エンジンチェックランプが消灯し、燃料ポンプが停止する。


Part-9 その他の作業編 【MTREC化】

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ここからはMTRECエンジンを載せた後の作業です。

ブローバイガス還元

さすがに令和時代にブローバイ大気開放はマズイ。
ということでブローバイガスを吸気に戻す加工をした。

吸気ボックスにニップルを立てた。エアカプラーを使った。ブローバイホースにピッタリだし安いので!

左側の太いホースがブローバイホースだ。ホースはビート純正をそのまま使った。

エンジンOH

エンジンオーバーホールして載せてから、1万kmぐらい走ったかな?
頗る調子よく回るんだけど、やたら白煙がでる・・・・・・・
そしてやたらオイルが減る・・・・・・・
プラグを外すと2番だけやたらカーボンが付いてるので、2番シリンダーでオイルが燃えてるのは間違いない。

ということで9月の連休を使って降ろしてバラして調査してみた。

ドラシャ抜いて

 

エンジン降ろす

ばらした結果、2番シリンダーのセカンドピストンリングが裏表逆だった。
完全に自分のチョンボ。組む時何回も確認したはずなのになあ。

もちろんヘッドも軽くOHしといた。バルブにもオイルの燃えカスがこびり付いていた。オイル上がり下がりは放置してはイケない(戒め)

組み直したら白煙は完治!

なお組み直す時にバルブのコッターを砂利に落っことすという、スーパーダルイ事件が発生して1時間ぐらいロスしてしまった。

バルブコッター落とすと最悪よ

パンタジャッキの置き場所

MTREC化に従ってECUも交換している。
元々の純PGM-FIのECUよりもMTRECのECUのほうが大きいので、
元の場所にはそのまま取り付かないから、少し場所を変えてある。
それに伴いパンタジャッキの場所も変えてある。

元のECUは右側に張り付いてたけど、今は天面に移設。パンタジャッキは右側に移設。 この空間は右側スライドドアを開けると出てくる

パンタジャッキのステーは鉄板を切って製作。それを元々のECUステーに溶接してやった。

ファンネルを取り付けた

3連スロットルにしたからにはファンネルを付けたい!!!

ということでビート海苔の間では有名?な蜜ファンネルを購入した!!!

正直、効果は期待してないけど、ファンネルの長さだけ吸気管長が伸びるわけだから出力特性に全く効果無しということは無いだろう。

なんと言ってもカッコイイ!

蜜ファンネル 50mm

早速取り付けた。良いね!

ファンネル付けた

 

ファンネルは見えなくなる

でも、吸気ボックスを付けると全く見えなくなるのが寂しいね
室内にキノコ3本生やせや!という意見も頂いているが流石にイカれてるのでやらない(お?

何とかリミッター解除

ぬあわkm/hでリミッターが効くんだけど、それを2倍にしてみた。
ECUに入力する車速パルスを1/2にする回路を作った。つまり分周器です。
ディスクリートで構成するのがミソ。

ケースは興味本位でMDFで作ってみた。トリマーを買ったんよね。それで削って作った。

動作したかは秘密
もっとスマートな方法はECU書き換えだけどね

アクセルワイヤーの渋さ

純PGM-FI→ビートMTRECに載せ替えると、インマニが短くなるので、
元々のアクセルワイヤーの長さが余る。余ると弛むわけで、弛むとR部分が増えてワイヤーの摩擦が増えてしまう。ただでさえ長くて(2.8mもある!)アクセル重いのに、だ。 載せ替えてからこれが気になっていた。
調べると、アクティ/ストリートのキャブ仕様のエンジンはインマニが短い。
ビートと同じぐらいな気がする。
つまりアクセルワイヤーも短いはずなので、流用すればちょうど良さそうだ。

PGM-FIのストリートHH3 インマニが長い

 

キャブのアクティHH3 わかりにくいがインマニ短い

 

ビートPP1 インマニ短い

ということで、キャブアクティのアクセルワイヤーを入手して、
今のアクセルワイヤーと比較してみた。

HH3のアクセルワイヤー

 

やはりキャブのほうが少し短い

するとやはりキャブのワイヤーのほうが短い。流用決定。
入手したワイヤーに注油して、早速アクセルワイヤーを張り替えた。

そして、いざスロットルバタフライに取り付けようとしたら・・・

まさかのインナーワイヤー届かず。このままでは全閉にできない。

わかりにくくてごめん

2枚前の写真を見ていただくとわかるんだけど、中のワイヤーの突き出し量が少し短い。気づけよ自分・・・・・・

ステーを反転させたら何とか成りそうだけど位置が微妙に合わない。

ステーを反転させてみたが・・・

仕方がないので、ステーを作り直すことにした。
ワイヤーをもとに戻すのは非常に面倒なのである。

アクセルワイヤーステーを作るのは2回目になる。1回目はエンジン載せた時。

アクセルワイヤーステー
左:新 右:旧

鉄板でステー作って。ちゃんとスロットル操作できるようになったのだが、
いまいち渋い。角度がいまいちなようだ。

アクセルワイヤーステー

結局、スロットルが渋い問題は解決できなかった。しかしワイヤーの長さとしてはかなり良い線行ってる。正規の取り回しでピッタリになる。ワイヤー交換前は変なルートで取り回していた。
しかし、ワイヤーの摩擦は結構いろんな要素が組み合わさっていて意外と難しい。
再調整しようかな

→後日、再度確認した。
よく見たらワイヤーの外皮とスロットルのプーリーが一部干渉していて、
ほんの僅かに全閉(アクセルオフ)できてなかった。
じゃあアイドリング上がるだろ?と思うかもしれないが、アイドルスクリュー調整も同時にやってたから、それが原因でアイドル高いな~と思ってたんよ(呆)

なのでまたステーを作り直した。

理想の角度

↑が理想のワイヤーの位置です。

雰囲気で作ってみる。材料は3mmの鉄フラットバーを使う。

目検で作図

仮で完成したので取り付けてみたが、ビミョーにワイヤーの位置が出ない。
中のワイヤーが斜めになっていると、外皮との摩擦が増える。

作り直したがワイヤーの位置が出ない

気に食わないので、もう一個作った。

再度作り直したステー。完璧

今回は完璧に位置が出た。塗装して完成
そして本題のスロットルの渋さは改善されました。

塗装して完成
作ったステーたち

ビートのクランクプーリーに交換

長いので別ページに公開した→ビートのクランクプーリーに交換【MTRECストリート】

すべて取り付けた図


Part-8 エンジン始動編 【MTREC化】

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一通りの配線・配管が済んだらエンジン始動チャレンジする。
エンジンオイル入れて、冷却水を入れる。そして、満充電したバッテリーをつなぐ。

ここで配線が間違えてたら発煙が出たりする・・・・・・・大丈夫、発煙異臭ナシ。

 

つづいてイグニッションキーをONにする

メータの警告灯が光ると同時に燃料ポンプがシュイーンと2秒動く。 大丈夫そうだ。

何回かOFF-ONを繰り返してみる。

・・・

・・・・・・ あれ? インジェクターから燃料が盛大に漏れているではないか!!
そういえばインジェクターのOリングを交換した記憶がない。

インジェクターのOリング

Oリングを交換したら漏れはなくなった(部品待ちで1週間待ったけど)。

セルを回してみる・・・・「カッ」  ?? あれ?回らない。プランジャーが動く音はするのでバッテリーが弱いだけか?と思いながらおもむろにセルモーターを確認してみると、

セルモーターのB端子が

B端子を繋ぎ忘れてるやないかい!

B端子をちゃんと繋いでセルを回してみる・・・・

「キュルキュルキュルキュル……」 セルは回るが初爆しない。

プラグを外すと燃料で濡れてるので燃料はヨシ、3気筒火花も飛んでるし・・・分からずに1日悩んだ。

タイベルがズレてるのかと思ってタイミングベルトの確認までしたが、結局はデスビがギア1山分ズレているだけだった。

ローターを印に合わせる

デスビを直したら初爆!エンジン始動!!やったー!嬉しい!

エンジン始動

エンジン始動できてしまえばあとは細かい調整だけである。
EACVの移設でアイドリングがハンチングしたりしないか不安だったが、特に問題なさそう。

エアクリボックスを自作

3連スロットル直吸いだと流石に色々問題がある。エアクリは必要だ。
よくあるカスタムだったら毒キノコを生やしたりするだろうけど、今回はストリート純正の吸気系を活かすことにした。そこで、3連スロットルとストリートのエアクリボックスを繋ぐ「もの」を作ることにした。

ところでビートの場合は3連スロットルの手前に巨大なエアクリボックスがついている。これは、
スロットル直前をなるべく大気圧に近づけて馬力UPを狙っているらしい(オートメカニックで見た)。
ということでこんな形のものをFRPで自作してみた。

FRPで作ってみた

初めてのFRPなので完成度はご愛嬌

アルミ板を切るためにジグソーも買った。

ジグソー買った

肝心のパワーアップへの効果については分からないけど、吸気音は確実に小さくなった。
エンジンリッドを開けていても音だけ聞いたら「「普通」」だ。剥き出しエアクリにありがちな吸気音はしない。

若干エンジンがどこかに当たっている気がするが、ひとまずシェイクダウン完了だ。

このあとテスト走行兼エンジン慣らしに数百キロ走ってみた。

走った感想

「これビート」

音だけ聞けば完全にビートだ。(エンジンがビートなので当たり前だ)
元々のエンジンに比べるとメチャクソ速くなったって訳では無いけどガンガン回して行けるので楽しいw
レブリミットが7400rpm→8700rpmに上がってるのだ。

 

これからは細かい修正とかが残ってるので続きます。

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Part-7 エンジンマウント&配管配線編 【MTREC化】

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エンジン低くしたい

ビートのエンジンをそのままストリートに載せると高さ方向に激しくはみ出す。

このままでは軽バンの最大の特徴である「完全フルフラット」が達成できない。
そこで次の4つの対策を実行することにした。

  1. エンジンマウント位置の変更
  2. EACV移設
  3. エンジンリッドの加工

1. エンジンマウント位置変更

極めて安直な考えで、エンジンそのものを下に落とす。

慎重に検討した結果、30mm落とすことにした。

エンジンは、3個のエンジンマウントで車体に固定されている。
それぞれに噛ますスペーサーを作った。 これを作るためにバンドソウとボール盤と溶接機を導入した。

エンジンマウントスペーサー 肉厚増して作り直したいなあ

左側

後ろ側

ミッション側

ミッション側のマウントは取り付け方が変わっているので、スペーサーを作るのに苦戦した。

左側のマウントは、ボルト1本で車体に固定されているだけなのだが、
このボルト、ピッチ1.25のM12細目で130mmと長い。これをスペーサ30mm分を伸ばすとなると、もはや規格品として存在しない。
このことをボヤいてたら「「二輪のアクスルシャフトが使えるんじゃね」」という助言が降りてきたので
最近のカブのアクスルシャフトを入手したらピッタリ使えた!ネジ部は足りなかったのでダイスで切った。

カブのアクスルシャフト、最近はΦ12mmらしいよ

2. EACV移設

ビートエンジンではスロットルボディの上にEACVが鎮座する。こいつを退けると20mmぐらいは高さを抑えられる。

EACV

t=10のアルミ板とアルミパイプで移設する奴を作った。
スロットルに付く側とEACVに付く側の2つを作ってゴムホースで接続するという魂胆だ。
これでEACVを自由な場所に移設できる。

スロットルボディに付く方

EACVに付く方

移設先は悩んでミッションの上にした。本当はエンジン側にステーを生やした方がスマートだけど・・・

EACV移設

3. エンジンリッドの加工

エンジンとの余裕を稼ぐためにエンジンリッドを加工する。
ストリートは防音のためか2重になっていて加工しにくいのでアクティトラックのを入手して加工した。

切って鉄板貼って溶接してコーキング

リブの分の高さを稼ぐ

配管と配線

MTREC化とエンジン位置変更で、配管類が素直に付かない。

 

冷却アッパーホース → エンジン下降分角度を付ける。内径24mm

アッパーホース

冷却ロアホース → 30mm延長。内径が28mmなのでいい感じのジョイントが見つからず。水温センサのアタッチメントで誤魔化した。ヒーターホースも延長する。内径16mmだったかな

ロアホースとヒーターホース

スロットルワイヤーの突き出し量が足りなかったので、ステーを自作した。

ビートのスロットルワイヤーは突き出し量が長い

スロットルワイヤーステー

ビートエンジンではデスビが縦型、一方ストリートではデスビは横型。
デスビが縦だとクラッチワイヤーがデスビにぶち当たる。クラッチワイヤーの取り回しを変えるためステーを作り直した。

デスビを回避する必要がある

クラッチワイヤー・シフトワイヤーのステー 穴が多いのはご愛嬌

その他、フューエルホースの延長(デリバリーパイプに微妙に届かない)、ブレーキ負圧配管の延長、スロポジ・EACVの配線延長が必要だった。
プラグコードも延長している。

インマニから生えてる冷却系のニップルが2本余る。どうも調べると「エキスパンションタンク」というのに繋がるらしい。ストリートには無いのでシリコンキャップで塞いでおいた。

つづく・・・

次→エンジン始動編


Part-6 エンジン移植編 【MTREC化】

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車両側のワイヤーハーネスの加工がだいたい終わったところで、
いよいよエンジンを載せる作業に入る!

その前に補機類が付くかを確認していきます。
まずいちばん重要なビートのインマニを付けてみると、
ストリートのエンジンマウントに干渉していたので
削って対処。
オルタネーターブラケットもインマニに当たるのでサンダーで切断する。

インマニとエンジンマウントがゴッツンコ

冷却のアッパーホースが繋がるウォーターアウトレットは、ストリート用を使う。(ビートとは出口の向きが違う)
そうするとビートのデスビに当たるので、当たるところを切断した。

確かステーが付くボルト2本

ついた

続いて3連スロットルを付けてみる、が、よく見るとオルタネーターに当たっている

オルタネーターとスロポジセンサが当たる

ビートのオルタネーターを使えば問題ないのだが、ストリートに載っていた壊れにくい日立製オルタネーターを使いたい。
若干悩んだが、ギリギリまで短いベルトを使ってオルタの位置を下げることで回避した。

ベルトが短すぎて3回も買い直したのは秘密だ。

いずれはJBライフとかの発電制御ができる現代的なオルタネーターに替えたいなあ

続いてクラッチを組む。

ビートのクラッチはアクティ/ストリート系より小径になっている。ストリートのクラッチを使いたいところだけど、ビートの軽量なフライホイールを使いたいのでビート用のクラッチ板を使うことにした。ミッションはとりあえずストリートのを使う。(ビートのミッションは油圧クラッチなのでそのままでは付かない、ビート以外はワイヤー)。

ビートのクラッチは小さい

これでだいたいの補機類が付くことが確認できたので、いよいよエンジンを車体に載せる。

エンジンクレーンやチェーンブロックは持ってないのでフロアジャッキとパンタジャッキを使う。
一見無謀に見えるが、意外とあっさり載せることができた。車体との干渉も特に無い。

なおエンジン高さは全力ではみ出す。

はみ出してる

うーん

知っていたが、やはりはみ出す。

写真では付いてないけど、3連スロットルの上にはEACV(アイドルコントロールバルブ)が乗るので
フロアから50mmぐらい飛び出す。
今回はフルフラットが目標なのでエンジンを下げることを考える。

しかし・・・オイルパンの位置が結構低い。

このままではエンジンを下げると最低地上高がOUTになってしまう。
それに障害物を跨いだときにオイルパンをヒットする可能性が高くなる。

オイルパンが低すぎる

雑誌オートメカニックによるとビートのオイルパンは油面を下げるために30mmほど低くなっているらしい。

泣く泣く諦めてストリートのオイルパンを使うことにした。

ストリートのオイルパンなら大丈夫

左がストリートHH3 右がビートPP1のオイルパン

つづく・・・

次→エンジンマウント&配管配線編


Part-5 ワイヤーハーネス製作編 【MTREC化】

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配線解読

ストリートHH3とビートPP1ではエンジンの制御方法が異なるため、ワイヤーハーネスを組み替える必要がある。
具体的に何が違うのか?ネットで仕入れた配線図を元に調べてみる。

まずはHH3のECU周辺の回路図。おそらくほぼ同じと思われるトゥデイJA4の配線図を発見した。
“JA4トゥデイ(シングル・スロットル)ECU カプラ配置図とPP1ビート | ホンダ トゥデイ by リセットさん – みんカラ”

JA4のECU配線図

続いてビートPP1の配線図。結構簡単に見つかった。ビートは情報が多くて助かる。
“間違いだらけのビートいじり” 

PP1 ECU配線図

ちなみに世の中の旧規格ストリートやアクティ(HA3,HA4,HH3,HH4とか)は、ほとんどキャブレター仕様なので、上の配線図は使えない。

なお、ECUが全く違う。端子の数やサイズに互換性は全く無い。

左PP1 右HH3

上記配線図やネット・現物で調べだした相違点を洗い出してみる。

No. ストリートHH3 (PGM-FI) ビートPP1 (MTREC)
1 インジェクター No.2とNo.3が共通 3気筒独立
2 アイドルコントロール アイドルコントロールSol.V.
A/CアイドルアップSol.V.
フューエルレギュレータSol.V.
EACVのみ
3 点火系 機械式の進角制御
デスビにイグナイタが付く
ECUが点火制御
イグナイタが別体
4 センサー系 タイミングはイグニッションコイルから得るのみ? シリンダー判別センサー
TCDセンサ(デスビに内蔵)
クランク角センサ(デスビに内蔵)
MAPセンサーがメーカー違い、ピンアサイン同じ
5 ブレーキ信号 なし ECUに入力される。なぜ?
6 スターター信号 なし ECUに入力される。
7 O2センサー ヒーター信号なし ヒーター信号あり

※Sol.V.=ソレノイドバルブ

基本的にビートでは配線が増えている。が、配線の作り方は似通っているため、HH3の元のワイヤーハーネスを利用して、追加分だけ新たに引き直すことにする。

HH3ではインジェクターが同時噴射だと思う。No.2とNo.3がワイヤーハーネスの束の途中で繋がっていてECUには2本しか来てない。No.3だけ新たに作る必要有。

EACVはアイドルコントロールSol.V.の配線とカプラーをそのまま流用する。

イグナイタの配線とシリンダー判別・TCD・クランク角センサー、インジェクターのハーネスも追加する。
ブレーキ信号は何に使われてるのかわからん。とりあえず繋がず開放にしておく。

スターター信号は元のECUには来ていないが、すぐ隣に居るメインリレーに来ているので分岐すればOK.

O2センサーはECU内でプルアップさせて誤魔化す。→参考:トゥデイ用O2センサのままビートECUを取り付ける | ホンダ トゥデイ by 山形大学自動車部 – みんカラ 

配線製作

まず・・・ECUのコネクタが異なっている。規格が違ったが、中のコンタクトピンを差し替えることができた。

HH3のECUコネクタ

PP1 ECUコネクタ

足りないハーネスはビートのハーネスから抜き出した。
ちなみにハーネスはヤフオクで買った。

ビートのワイヤーハーネス加工

電線同士の接続や分岐にはスプライス端子を使った。

ビートのハーネスから必要分だけ取り出したものがこれだ。コイツを元の配線と並走させる。
今回、真面目に難燃性のコルゲートチューブを使ってみた。

追加ハーネス

ECUのコネクタはピンを入れ替える。青色が残った(使用しない)配線だ。灰色がビートECUに繋がる。

ECUのコネクタを入れ替えた

HH3の車体に付いている「コントロールボックス」という名のブラックボックスは使わんので撤去した。

HH3のコントロールボックス

中にはソレノイドバルブが2個入っている。エアコンのアイドルアップ用と、フューエルレギュレーターの制御用っぽい。

コントロールボックスの中身

配線が間違ってなければ、これでエンジンがかかるはずである。

ECU修理

ECUの修理もしておいた。
ビートのECUは壊れることで有名なので、開けてみたら案の定コンデンサが液漏れしていた。

電解コンデンサの足が腐食してもげてる

パターンの腐食部分は取り除いた

新しい電解コンデンサに交換しておいた。コンデンサはニッケミのKYシリーズにした。

つづく

次→エンジン移植編


Part-4 エンジン降ろし編 【MTREC化】

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載せ替え用のビートエンジンがだいたい組み上がり、いよいよHH3のエンジンを降ろす作業に入る。

その前にLEDの照明を車内に引き込んだ。明かりは大事だ。

室内作業灯

どうやってエンジンを降ろすか、鑑賞しながらしばらく考える。

エンジンをしばらく観賞

できるだけ高くジャッキアップする。天井の梁が低いので高さに限界がある。
邪魔なのでリアバンパーを外した。バンパーの裏で作業着を引っ掛けないようにウエスで隠した。

ジャッキアップした

床にもLEDランプを置いた

エンジンとミッションを分離して、別々に降ろすことにした。

ミッションを降ろした

次にエンジンの補機類を外す。
インマニを外さないとワイヤーハーネスが分離できない。

エアコンコンプレッサーのみ車体側に残した。

ホース類には一応タグ付けした

そしてエンジンを降ろす。

エンジンを落とす

フロアジャッキで適当に落とした。床が合板なので適当だ。

エンジンを落とす

そして車体下からエンジンを引きずり出した。

エンジンが降りた!

降ろしたエンジンからビートのエンジンに部品を移植する。

移植するのは、サーモスタットカバー、クランクプーリー、ベルトカバー、補機ステー、エンジンマウントブラケット

ブロックが若干違う

クランクプーリーは、オルタネーターとエアコンコンプレッサーのベルトが全く異なり、互換性は無かった。

タイミングベルト類を取り付け

部品を移植していくといくつか問題が発覚した。

ウォーターアウトレットがデスビと干渉する。
(ビートとは冷却ホースの取り回しが違う)

ウォーターアウトレットが干渉する

デスビに当たる

オルタネーターブラケットもMTREC用のインマニに干渉する。

オルタネーターのブラケットも干渉する

上がビート、下がストリートHH3

どちらも削れば問題無さそうである。

HH3のミッションをはめてみた。

HH3のミッションはOK

ビートエンジンとHH3のミッションの組み合わせは問題無さそう。

つづく

次→ワイヤーハーネス製作編


Part-3 エンジンオーバーホール編 【MTREC化】

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入手したMTRECエンジンは素性がわからないのでバラすことにした。

このためにE07Aのサービスマニュアルを入手した。
各ボルトのトルクやオイルクリアランスの数値はこれがないと判らない。

なお私はド素人なので、このページは参考にしないでほしい。

E07Aのサービスマニュアル

オートメカニックのビート特集

しばらく前に買ったオートメカニックも引っ張り出してみた。

タイミングベルト外し&ブロック分離

補機類はエンジンを運ぶ時にはずしてある。

次はタイミングベルトを外すのだが、
まずはクランクプーリーを外す必要がある。
これが高トルクで締まってるので難儀した。

ベルトカバーを外す

なんと言ってもエンジンが「ただ置いてあるだけ」なので、スピンナーハンドルを掛けるとエンジンが転がってしまいボルトに力を掛けられない。しかもプーリーの廻り止めのSSTが要る。

前、HH3のタイミングベルト交換した時はエンジンが車載状態だったので長いスピンナーハンドル一本で緩められたのだが今回は無理だった。しかもHH3のプーリーには4個の穴が開いてたので廻り止めSSTを自作したが、今回のクランクプーリーには穴が無いので使えない。

クランクプーリーは鬼トルクで締まってる。

スピンナーハンドルとホンダ用クランクプーリーSST

結局、長いスピンナーハンドルをもう一本新調した。丁度アストロプロダクツでセールしてたのでソケット付きで安く入手できた。ちなみに電動インパクトレンチでは全く緩まなかった。

パイプで延長

結局スピンナーハンドルをパイプで延長して緩んだ。

タイミングベルト

タイミングベルトやテンショナーをサクサク外していく。バラすのは簡単である。

シリンダーブロック

シリンダーヘッド

ウォーターラインの錆が酷い。放置期間が長そうだ。

ウォーターラインが錆っ錆

ヘッドオーバーホール

ヘッドだけ家に持って帰ってバラした。

ヘッドをバラす

ヘッドの部品を洗浄する

オイル焼けはキレイに取れる!

パーツの洗浄にはモノタロウの粉のパーツクリーナーを使った。これが結構強力で、オイル焼けがキレイに取れる。

ウォーターラインの錆は、ウォーターラインの穴を塞いでリン酸系錆取り剤を注入して取った。

モノタロウの粉状パーツクリーナーを使用した

Ex側のロッカーアームシャフトが交換されているっぽい。
こいつがひどく摩耗するんだけど、距離走ってるエンジンの割に摩耗度が少ない。そもそも形状がE07Z用だ(品番統合されてる)。一度オーバーホールされてるのかもしれない。

ロッカーアームシャフト

ヘッドが歪みを確認するためにストレートエッジを買った。モノタロウの激安品だけど、今回の用途では十分だと思われる。

激安ストレートエッジ 7000円

ヘッドのポートはリューターで軽く研磨した。リューターは先輩から借りた。アストロプロダクツのペンシルリューターはかなり使える。

ポート研磨してみる

ついでにロッカーアームの軽量化もしてみた。

ロッカーアームの軽量化

色々飛ばしてるけどバルブの擦り合せをする

バルブの擦り合せ

が、ここで問題発生!

IN側のバルブが曲がっているのである!!!
擦り合わせる前にボール盤でカーボンを落としたのだが、その時は気付かなかった。
どこで曲がったのか判らない…… 仕方ないので新しく買った。
現行のE07Zのバルブが使える。 14711-PFB-000 1本1000円だったので案外安い。
Ex側は問題なかった。

インテークバルブ

シングルカムなのに12バルブあって、部品点数が多い。

だいたい組み上がったヘッド

シリンダーブロックオーバーホール

シリンダーブロックのオイルパンがトラブった。

エアコンコンプレッサーのステーのボルトが1本固着していて頭が千切れてしまった。
センターに穴を開けてエキストラクターで救出を試みるが失敗する。

ボルトがもげた

トゥデイ乗りのパイセンに相談したらビートのオイルパンが余ってるってことなので貰って解決した・・・・・・

シリンダーブロックを洗う

シリンダーブロックは灯油とモノタロウの粉パーツクリーナーで洗った。こちらもウォーターラインの錆がなかなかに酷かったので、リン酸系錆取り剤で錆取りした。アルミを侵す可能性があるのだが短時間なら大丈夫そうである。

つづいて、ホーニングしてみる。

ホーニングツール

軽くホーニングした

ピストンとメタルに取り掛かる。

ピストンリングを交換する

メタルも換えておく。

今回はメインメタル・コンロッドメタルも交換する。

メタルキャップ組付け

オイルポンプもばらしてみた。Oリングは交換する。

オイルポンプも一応点検する

ピストンリングコンプレッサーは落ちてた銅版と買ってきたホースバンドで自作したが、十分使えた。銅版の厚みは0.5mmだと思う。

ピストンリングコンプレッサー

いろいろと端折るけど、だいたい組み上がった。

仮組み

上の写真は横倒しになっている。660ccのアルミエンジン、エンジンスタンドがなくても簡単に向きを変えられる。

あとはHH3のエンジンから一部パーツを移植するのだが、当然HH3のエンジンを降ろしてからの作業となる。

つづく。

次→エンジン降ろし編


Part-2 MTRECエンジンを観察しよう編 【MTREC化】

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入手したエンジンをひとまずクルマから降ろした。

HH3にコイツを乗せるに当たって、何が違うのかを調べなければならない。
このエンジンはオーバーホールするつもりで居るので、
載せ替えできるorできない を今の段階で判断する必要がある。
入手したビートのエンジンとストリートのエンジンを見比べてみる。

エンジンブロック

エンジンブロックはシリンダーもヘッドも基本的にHH3と同じ。これはパーツリストで確認した。

PGM-FIのストリートのヘッドはビートとほぼ同じ。違うのはカムシャフトとバルブスプリングとデスビぐらい。ちなみにキャブの場合は全然異なる。特にインテークのポートの間隔が違うのでインマニの互換性が無い。

腰下は、トルクロッドが取り付くための耳が違う。ストリートにはトルクロッドが無いので耳がない。
が、特に問題はなさそうである。

ストリートHH3エンジン 耳がない

ビートPP1 耳がある

オイルパン

オイルレベルゲージの位置が全く異なる。

ビートエンジンではミッション側から生えてる。

オイルレベルゲージ

HH3ではベルトカバー側から生えてる。タイヤハウスからアクセスできるようになっている。

ビートエンジンのオイルパンはフィンが切ってあったりしてカッコいいのでできれば使いたい。

レベルゲージが車体のどこかとブチ当たらないかが心配だ。

インマニ・スロットル

MTRECでは吸気効率向上のため、インマニの角度が浅い。しかも巨大なエアクリボックスがある。

一方HH3ではエンジン高さを抑えるため、べったり寝た角度になっている。エンジンの高さが問題になる。

HH3のインマニ

HH3で、エンジンブロックから、荷室の床までの高さを図ってみる。

約14cm

ビートのエンジンにあてがってみると・・・

赤線で示したところが14cm
そのままHH3に乗せると赤線より上が「確実」に荷室に飛び出してしまう。

対策としては、

エアクリボックス取っ払う。

スロットルボディーの上に乗ってるEACVを移設。

これでも数cm飛び出すから、エンジンのマウント位置を下げてしまおうか。

インマニ類

エアクリボックス

雑誌によると巨大なエアクリボックスはパワー向上に貢献しているようだ。扁平な形で自作しようかな。

エキマニ

排気管レイアウトが全く異なり互換性皆無。とりあえずHH3のエキマニを使うことにする。
3-1集合までの長さが異なるので、馬力は落ちるだろうが仕方がない。

補機類

ジェネレータやエアコンコンプレッサーのレイアウトは殆ど同じだった。

補機類

後で分かったことだがクランクプーリーが違う。ジェネレータとエアコンコンプレッサーのベルトが違う。

今回はHH3のジェネレータとエアコンコンプレッサーを使うので、クランクプーリーはHH3を使う。

冷却系

アッパーホースが繋がるパーツが違う。ホースの向きが異なる。HH3の方を使うが、ボルトが2個刺さってる部分がビートデスビと干渉するため、カットする必要がありそうだ。ちなみにこのボルトはエンジンアースが繋がってたと思う。

左がHH3 右がPP1

トランスミッション

ビートのミッションはクラッチが油圧だ。またスピードワイヤーが電気式になっている。

中身だけ入れ替えれば、ビートのギア比にできそうだ。

以上より

最大の問題はエンジンの高さだ。

ネットで調べると、アクティトラックHA6にビートの腰上を乗せた事例が出てくる。
E07AtoZ MTRECエンジン | ホンダ アクティトラック by TK4 – みんカラ
荷台がもっこりしてる。

できれば現状の荷室フルフラットを維持したい。

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