MP3バックブザーを作った

”好きな曲を流せるバックブザーが欲しい”という依頼があり作った。
ギアをリバースに入るとSDカード内の音楽ファイルを再生する、という単純なもの。
駐車場で注目度No.1になること間違いなし

構成

電源 12V(自動車用なので10V~15Vぐらい)
バックランプから電源を分岐する形になる。

MP3の再生回路

簡単にするため、 DFPlayer を使った。
マイクロSDカードと電源を用意するだけでMP3やWAVを再生できるモジュール。
RSコンポーネントにも売っている。
アリエクやAmazonで互換品が大量に売っている。
今回はアリエクで互換品を買った。

安価な互換品を買う場合は、壊れている可能性があるので数個買っておいた方が良いと思う。

電源は5Vなので、三端子レギュレータ7805等で5Vを作る必要がある。

なおDFPlayerはステレオに対応しているけど今回はスピーカー1個なので、DAC_LとDAC_Rを抵抗で合成し1chにまとめた(後述の回路に記す)。

パワーアンプ

DFPlayerはスピーカーを直接鳴らす事もできるが、
バックブザーとしてはパワー不足である。
そこで、手持ちのパワーアンプIC TA8201K で増幅した。
このICは簡単に大出力のアンプを組めるので便利。カーステレオ用なので今回の用途にピッタリ。
ただし廃盤。

パワーアンプの手前にはボリュームを付けた。

ICは発熱するのでアルミ板を介してケースに放熱した。バックブザーはせいぜい数十秒しか鳴らさないので十分な放熱が得られる。

もっと簡単に済ますなら完成品のパワーアンプモジュールを使うとよい。

ホーンスピーカー

車外に取り付けるので防水が良い。

秋月電子で売っている10Wホーンスピーカー(トランペットスピーカーを使った。

物心つく前から売られている気がする。知らんけど

ケース

本体を収めるアルミケース。テイシン製?リード製? 昔シリコンハウスで買った気がする。
スピーカーは車外だが本体は車内に置いてもらう。

DFPlayerについて

ADKEY1ピン~GNDの間、ADKEY2ピン~GNDの間にそれぞれスイッチを繋げば、再生や次の曲などの操作ができる。
抵抗を用意すれば操作ボタンを増やすことができる。14曲を任意のボタンで再生できるようだ。

詳しくは公式のマニュアルに載っている。

今回の用途では電源が入った瞬間から特定の音楽が流れればよいのでADKEY1をGNDに落としておいた。
こうすれば0001.mp3を再生する。

SDカードはFAT16 / FAT32でフォーマットしておく。再生するファイルはmp3フォルダに入れる。

SDカードのルートディレクトリ\mp3\0001.mp3

としておく。

ちなみにフォーマットでハマった。
買ってきた新品のSDカードは元々FAT32でフォーマットされていたがDFPlayerで認識されなかった。
Windowsでフルフォーマット(クイックフォーマットはNG)したら認識した。

対応フォーマット SDカード 最大32GB FAT16 / FAT32
MP3 8 / 11.025 / 12/16 / 22.05 / 24/32 / 44.1 / 48 kHz

回路図

メモ書きですみません。真ん中の四角形はパワーアンプIC TA8201K

ホーンスピーカーにしたので低音は出にくいようにしてある。

C1とC2を大きくすると低周波特性が良くなるが、電源ONから音が出るまでの時間が伸びる(曲の最初が切れてしまう)。

TA8201Kは標準ゲインが高いので、ボリュームの手前と2番ピン(NF端子)の抵抗でゲインを下げている。

カーオーディオの場合は通常、電源ラインにチョークコイルを使ったフィルタを挿入することが多いが、今回は用途が用途なので省略した。

12Vの電源はリバースランプから取る。2Aぐらいのヒューズを入れたほうがいいと思う。

ギャラリー

製作途中の様子。
ケース内部の様子。DFPlayerに貼ったスポンジは、SDカードがケースの隙間に入るのを防止した。
基板裏の様子。基板両面はハヤコートでコーティングした。ハヤコートがSDカードスロットに入らないように注意
動作テストの様子(音量注意)

TA8201K データーシート

製作年月:2023/8


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