2010年頃、とあるジャンク屋でPioneerのスピーカーを買いました。
Pioneer製の古いアンプで鳴らしていたのですが、アンプのサイズがでかくて狭い部屋では不便でした。
また、部品箱にアンプICやレベルメータICがあったりしたので小型のアンプを作ろうと思ったのでした。
構成
ただのアンプでは面白く無いので、80年代後半に流行ったようなアンプにしました。
電源ボタンや入力セレクトスイッチはタクトスイッチにして、 すべてマイコンで制御するようにします。
更にイコライザー回路(プリアンプ)も載せます。LEDのレベルメータも載せます。
回路構成は下のとおりです。

この図に書くのを忘れましたがリモコン受光モジュールもあります。
アンプ部はすべてアナログ回路です。デジタル的と言っておきながらデジタルアンプではありません。
パワーアンプ部 – TA8210H
ヘッドホンアンプ部 – LM4881
プリアンプ部 – 2SC1815Y
レベルメータ部 – LB1412
マイコン部 – ATmega88
ケース・加工
ケースは前買ったタカチのYM-200を使います。200*150*40
全面のレイアウトは、一般的なアンプのように左にスイッチ・右にボリュームとした。
今回のアンプはレベルメータを付けるので、窓が必要です。
窓は、t=3mmの半透明アクリル板を切り出し、3辺をダンチにしました。
入力セレクト用のスイッチと電源スイッチは、t=5mmの不透明アクリルを加工して、タクトスイッチを押す機構にしています。アクリルの加工にはエンドミルを使いました。


各種基板
電源
電源は、秋月の12V/5AのスイッチングACアダプターを使います。
メインアンプ部
メインアンプのICは、昔カーステから取った、東芝のカーステ用「TA8205AH」です。
13.2V 4Ω負荷で15W*2chの出力がでるヤツです。
しかしパッケージのピンがHZIPの2mmピッチなので普通のユニバーサルには刺さりません。
なので秋月に売っていた2mmピッチ基板を使いました。

t=3mm, 150mm*40mmのアルミ板を放熱板とし、基板はICで固定することにしました。
その後、TA8205より出力の大きいTA8210を手にいれたので、作り直しました。

この写真ではICが見えませんが、下に水平についてます。

ちなみに基板のサイズは、50 * 25 mmです。
データシートそのままの回路だとゲインが大きすぎるので、 3pinと6pinのコンデンサに直列に560Ωの帰還抵抗を入れてゲインを約40dBに押さえてます。

さらに入力に10kΩと22kΩのアッテネータを付けています。

この辺りは、マスカット氏のステレオアンプを参考にさせていただきました。
また、電源ON/OFFの時にポップノイズがでるので、スピーカー保護用にリレーを使っています。リレーがONの時はスピーカにつなぎ、リレーOFFの時は、6.8Ωの抵抗を繋がるようにしています。リレーはマイコンで制御しているので、遅延時間などはプログラムを書き換えるだけで変更できます。
ヘッドホンアンプ
ICは、LM4881を使い単電源(+5V)で動かしています。基板はプリアンプ基板の下にあります。
ヘッドホンジャックにスイッチを取り付けて、プラグが挿入されると プリアンプの出力をメインアンプからヘッドホンアンプに切り替わるようにしています。
切り替えはリレーが行っており、マイコンで制御しています。

プリアンプ
レコードのプリアンプ…ではなく、低音と高音を調整するための回路です。
この回路もメインアンプと同じくマスカット氏のステレオアンプを参考にさせていただきました。

一度作ったものの、左右のバランスがおかしかったので作り直しました。写真右側が新しい基板です。
トーンコントロールのボリュームには、秋月に売っているスライドボリュームを利用しました。
100kΩ/Bカーブ なのでそのまま使えます。
レベルメータ
ICは、LB1412をステレオ分(2個)使っています。
LED12個をドライブでき、ピークホールド機能も付いていますが残念ながら廃番になっています。基板は、秋月の95*72のガラエポ基板をラッカーで黒く塗り、切りました。
LEDは、秋月に売っていた角型の青色LEDを使いました。

その後、眩しかったので青色のLEDを黄色と赤色に変更しました。

最後に
当初4ヶ月掛かるとは思ってませんでした。
ケースが小さくて、最後のほうヤケクソでしたが、良い感じに完成できたので満足しています。
参考文献
インターネットサイト
電子マスカット – 15.ステレオアンプ | プリアンプの回路やアッテネータ等 |
オーディオクラフト工房 – NEWアンプを作ろう | TA8205AHについて |
TA8210のデータシート
ここまで書いたのが2012年頃。2016年になっても未だにこのアンプを使っているww
2022年追記:10年経つがなんと未だに使っているwww
製作日:2010年~2011年ごろ