配線解読
ストリートHH3とビートPP1ではエンジンの制御方法が異なるため、ワイヤーハーネスを組み替える必要がある。
具体的に何が違うのか?ネットで仕入れた配線図を元に調べてみる。
まずはHH3のECU周辺の回路図。おそらくほぼ同じと思われるトゥデイJA4の配線図を発見した。
“JA4トゥデイ(シングル・スロットル)ECU カプラ配置図とPP1ビート | ホンダ トゥデイ by リセットさん – みんカラ”
続いてビートPP1の配線図。結構簡単に見つかった。ビートは情報が多くて助かる。
“間違いだらけのビートいじり”
ちなみに世の中の旧規格ストリートやアクティ(HA3,HA4,HH3,HH4とか)は、ほとんどキャブレター仕様なので、上の配線図は使えない。
なお、ECUが全く違う。端子の数やサイズに互換性は全く無い。
上記配線図やネット・現物で調べた相違点を洗い出してみる。
No. | 系 | ストリートHH3 (PGM-FI) | ビートPP1 (MTREC) |
---|---|---|---|
1 | インジェクター | No.2とNo.3が共通 | 3気筒独立 |
2 | アイドルコントロール | アイドルコントロールSol.V. A/CアイドルアップSol.V. フューエルレギュレータSol.V. |
EACVのみ |
3 | 点火系 | 機械式の進角制御 デスビにイグナイタが付く |
ECUが点火制御 イグナイタが別体 |
4 | センサー系 | タイミングはイグニッションコイルから得るのみ? | シリンダー判別センサー TCDセンサ(デスビに内蔵) クランク角センサ(デスビに内蔵) MAPセンサーがメーカー違い、ピンアサイン同じ |
5 | ブレーキ信号 | なし | ECUに入力される。なぜ? |
6 | スターター信号 | なし | ECUに入力される。 |
7 | O2センサー | ヒーター信号なし | ヒーター信号あり |
※Sol.V.=ソレノイドバルブ
基本的にビートでは配線が増えている。が、配線の作り方は似通っているため、HH3の元のワイヤーハーネスを利用して、追加分だけ新たに引き直すことにする。
HH3ではインジェクターが同時噴射だと思う。No.2とNo.3がワイヤーハーネスの束の途中で繋がっていてECUには2本しか来てない。No.3だけ新たに作る必要有。
EACVはアイドルコントロールSol.V.の配線とカプラーをそのまま流用する。
イグナイタの配線とシリンダー判別・TCD・クランク角センサー、インジェクターのハーネスも追加する。
ブレーキ信号は何に使われてるのかわからん。とりあえず繋がず開放にしておく。
スターター信号は元のECUには来ていないが、すぐ隣に居るメインリレーに来ているので分岐すればOK.
O2センサーはECU内でプルアップさせて誤魔化す。→参考:トゥデイ用O2センサのままビートECUを取り付ける | ホンダ トゥデイ by 山形大学自動車部 – みんカラ
配線製作
まず・・・ECUのコネクタが異なっている。規格が違ったが、中のコンタクトピンを差し替えることができた。
足りないハーネスはビートのハーネスから抜き出した。
ちなみにハーネスはヤフオクで買った。
電線同士の接続や分岐にはスプライス端子を使った。
ビートのハーネスから必要分だけ取り出したものがこれだ。コイツを元の配線と並走させる。
今回、真面目に難燃性のコルゲートチューブを使ってみた。
ECUのコネクタはピンを入れ替える。青色が残った(使用しない)配線だ。灰色がビートECUに繋がる。
HH3の車体に付いている「コントロールボックス」という名のブラックボックスは使わんので撤去した。
中にはソレノイドバルブが2個入っている。エアコンのアイドルアップ用と、フューエルレギュレーターの制御用っぽい。
配線が間違ってなければ、これでエンジンがかかるはずである。
ECU修理
ECUの修理もしておいた。
ビートのECUは壊れることで有名なので、開けてみたら案の定コンデンサが液漏れしていた。
新しい電解コンデンサに交換しておいた。コンデンサはニッケミのKYシリーズにした。
つづく
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