トヨタ・プリウスZVW30やトヨタ・アクアNHP10などのエンジン冷却用アイシン製電動ウォーターポンプ(以下ポンプ)の動作方法を解析した。
注意事項:この記事を参考にされる場合は各人にて十分な検証をしてください。不利益が生じた場合も当方は責任を負いません。
入力インターフェース回路の解析
図1に入力コネクタの外観図とピンアサインを示す。各ピンの機能は後述する。
アウターケースの5本のボルトを取り外した所、インペラーハウジング・モーター・カバーの3パーツに分解できた(図2)。
また、プリント基板を取り外し入力インターフェースの回路解析を行った(図3)。
図4にポンプの入力インターフェース回路を示す。図の左側の端子名称はプリント基板のシルクを示す。
回路解析と実際に駆動した結果から端子の機能は下記となる。
[+B]:
12Vを印加する。実車では補機用鉛バッテリーが使用されるため、10~15Vが動作範囲と考えられる。12V印加、無負荷時:0.5A程度の電流が流れた。突入電流が大きいため注意する(推定20A以上)。
[SWP]:
回転数を制御する。開放時にモーターが作動する。GNDに接続することでモーターが停止する1 。制御側回路(車体側)はオープンコレクタ出力と考えられる。170Hz、50%Duty.の信号を印加すると回転数が低下したため、PWMによる回転数制御ができる可能性有。
[NWP]:
モーター動作時に回転数信号が出力される。オープンコレクタ出力となっている。モータ1回転におけるパルスの数は未確認。誤って12Vに接続すると故障する。
[P-GND]:
0V。アースに接続する。ポンプの金属部分には接続されていない。
結論、動かし方
[+B]に12Vを、[P-GND]に0Vを接続すると動作する。
[SWP]を0Vにすると回転が停止する。
その他
解析日:2019.6.28
依頼を受けて解析しました。このポンプを何かに流用したいそうです。せっかくなのでwebにも公開します。
参考文献
- アイシン精機株式会社 水谷 浩市, 宮越 博規ほか. 車載機器内流路の気密検査方法特開特開
2009-177916 ↩︎